今だけの時間
柴垣 友佳里
子育ての真っ只中にいると
自分の時間なんてほとんどなくて
寝かしつけたと思ったら、また泣き声。
洗濯物をたたんでるそばから
山になっていく。
「もう限界…」と思う日もあるかもしれませんね。
でも、ふしぎなもので
子どもが成長して手が離れていくと
あの慌ただしい日々がふと
懐かしく感じられることがあります。
食卓のにぎやかさが減り
洗濯物の量が目に見えて少なくなり
呼びかけても返事のない部屋がひとつできると
少し前までの騒がしさが
優しい残響に変わるのです。
「もっと優しくできたかな」
「どうしてあんなに叱ってしまったんだろう」
そんな思いが浮かぶのは
ちゃんと向き合っていた証なのだと思います。
毎日のお弁当作り
泥だらけの服を洗ったこと
「おはよう！」と起こした朝のこと
たくさんの愛情は
ちゃんと子どもの中に残っているはず。
だからこそ、どれほど大変でも
この時間はかけがえのない
「今だけ」なのかもしれませんね。
ほんの一瞬のつもりで撮った写真が
とびきり愛おしい宝物になる日も来ます。
そんな未来を
ほんの少し心に置きながら今を過ごせたら
少し心がほぐれるかもしれませんね。
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