人と話すこともある。
家族や友人もいる。
いつも一人で過ごしているわけでもない。
それでも、ふとしたときに「私はひとりだ」と感じることがあります。
誰かと一緒にいても心の奥だけが取り残されているように感じたり、話したいことがあるのに、誰に話せばいいのか分からなかったり。
夜や休日になると急に寂しさが強くなり、「誰にも分かってもらえないような気がする」と感じることもあります。
孤独感は、周りに人がいるかどうかだけで決まるものではなく、自分の気持ちが誰かに届いていると感じられるか、自分らしく人とつながれているかとも深く関わっています。
ここでは、孤独感が強くなるときに心の中で起きていることや、その気持ちとの付き合い方について一緒に見ていきます。
人といても、孤独を感じることがあります
家族やパートナーと一緒にいても寂しい
同じ家で暮らしている。
毎日顔を合わせている。
それでも、心の距離を感じることがあります。
話をしても気持ちまで伝わっている感じがしなかったり、自分のことを分かってもらえていないように感じたりすると、人と一緒にいるからこそ孤独が際立つこともあります。
「こんなに近くに人がいるのに、どうして寂しいのだろう」と、自分でも戸惑うことがあります。
人との物理的な距離と、心がつながっていると感じる距離は、必ずしも同じではありません。
誰にも分かってもらえないように感じる
話しても伝わらない気がする。
心配をかけたくない。
話したところで状況は変わらない。
そんな思いが重なるうちに、自分の気持ちを胸の中だけに置いておくことが増えていくことがあります。
表面ではいつも通り過ごしていても、心の中には「本当の自分を知っている人がいない」という感覚が残ることがあります。
誰かに分かってもらいたい気持ちと、分かってもらうことをあきらめたような気持ちが、同時にあることもあります。
夜や休日になると、孤独感が強くなる
昼間は仕事や家事で動いているため気にならなくても、夜になって静かになると、急に寂しさが押し寄せることがあります。
予定のない休日や、一人で食事をするとき、SNSで誰かの楽しそうな様子を見たときなどに、自分だけが取り残されたように感じることもあります。
忙しい時間の中では見えにくかった気持ちが、静かな時間になると表に出てくることがあります。
寂しいのに、人と会いたいとも思えない
孤独を感じているなら誰かに会えばいい、というほど気持ちは単純ではありません。
人と会うためには、話したり、相手に合わせたり、自分の状態をある程度整えたりする力も必要です。
寂しい気持ちはあるのに、人に会うことを考えると疲れてしまう。ひとりでいたいけれど、ひとりでいると寂しい。
そんな相反する気持ちの間で揺れることもあります。
孤独感の奥には、いくつかの心の動きがあります
人に合わせるうちに、自分の気持ちが遠くなる
周りの人と穏やかに関わるために、相手の気持ちを考えたり、その場に合わせたりすることは日常の中で自然に行われています。
けれど、いつも相手を優先することが続くと、自分が本当はどう感じているのか、何を望んでいるのかが見えにくくなることがあります。
人とつながっているのに、自分自身だけがその関係の中にいないような感覚になることもあります。
さらに、自分の気持ちそのものが分かりにくくなっているときはこちらも参考にしていただけます。
「分かってほしい」という気持ちを出しにくくなっている
これまでの人間関係の中で、自分の気持ちを話しても受け止めてもらえなかったり、思ったように伝わらなかったりした経験が重なると、気持ちを見せることに慎重になることがあります。
人とつながりたい気持ちはあっても、そのために自分を見せることには少し怖さがある。
その両方を抱えていると、人との間に距離を感じやすくなることがあります。
大切な人や、これまでの居場所を失ったあと
孤独感は、大切な人との死別や別れ、退職、子どもの独立、引っ越しなど、生活の中の大きな変化をきっかけに強くなることもあります。
それまで当たり前だった会話や役割がなくなったとき、生活そのものは続いていても、「自分はこれからどこに気持ちを置けばいいのだろう」と感じることがあります。
大切な人との死別による孤独については、こちらでも詳しくお伝えしています。
人生の節目で、これまでのつながり方が変わる
年齢を重ねる中で、仕事、子育て、家族関係、友人関係など、自分を取り巻く環境は少しずつ変わっていきます。
これまで忙しさの中にあった人とのつながりが減ったり、「家族のため」「仕事のため」という役割が変化したりすると、ふと自分自身の時間が目の前に現れることがあります。
そのときに感じる孤独は、「人が足りない」ということだけではなく、これからの自分の生き方を考え始めている時間でもあります。
孤独を感じたとき、少し見てみたいこと
どんなときに、孤独が強くなるのか
「私は孤独だ」とひとまとめにする前に、その気持ちが強くなる場面を少し見てみることがあります。
夜なのか。
休日なのか。
家族と話したあとなのか。
SNSを見たあとなのか。
誰かと会って帰宅したあとなのか。
場面が見えてくると、その孤独の中に何があるのかも少しずつ分かってきます。
寂しさなのか。
分かってもらえない感じなのか。
誰かに必要とされたい気持ちなのか。
それとも一人になったときに浮かんでくる別の思いなのか。
孤独感の中には、その人ごとに違う気持ちがあります。
「人を増やす」より、自分が求めているつながりを考える
孤独を感じると、人との接点を増やした方がいいように思うことがあります。
けれど、大勢の人と会っても孤独を感じることもあれば、たった一人と落ち着いて話せることで気持ちが満たされることもあります。
自分が求めているのは、
誰かと一緒に過ごすことなのか。
気持ちを分かち合うことなのか。
安心して弱音を話せることなのか。
「どれくらい人とつながるか」より、「どんなふうにつながりたいか」を考えてみると、自分に合った関係が見えやすくなります。
言葉になったところから、外につながっていく
孤独感が長く続いていると、自分の気持ちをどう説明すればいいのかも分からなくなることがあります。
最初から全部を説明する必要はなく、「最近、夜になると寂しくなる」「人といるのに孤独を感じる」といった、今言葉になっているところからで十分です。
自分の内側だけにあった感覚が言葉になることで、自分自身でもその気持ちを少し違った位置から見られるようになることがあります。
カウンセリングでできること
孤独感について話すとき、必ずしも「一人でいることをやめる」「人とのつながりを増やす」ことを目指すわけではありません。
カウンセリングでは、どんなときに孤独を感じているのか、どんな人間関係の中でその感覚が強くなるのか、これまでどのように人と関わってきたのかを一緒にたどっていきます。
その中で、
「本当は分かってほしかった」
「もっと自分の気持ちを話したかった」
「人に合わせることに疲れていた」
など、孤独の奥にあった気持ちが見えてくることがあります。
また、これからどんな距離で人と関わっていきたいのか、一人で過ごす時間をどんなふうに持ちたいのかなど、現実の生活についても一緒に整理していきます。
誰かとつながることと、一人で心地よくいられること。
そのどちらも大切にしながら、自分に合ったつながり方を探していく時間です。
心や体のつらさが大きくなっているとき
孤独感が続く中で、
眠りにくい。
食欲が落ちている。
仕事や家事に取りかかれない。
何をしても気持ちが動かないなど。
心や体にも変化が表れることがあります。
そのようなときには、カウンセリングとあわせて、心療内科や精神科などの医療機関に相談することも一つの選択肢です。
また、「消えてしまいたい」「死にたい」という気持ちが強くなっているときは、身近な人や医療機関、公的な相談窓口など、今すぐつながれる場所を利用してください。
今の状態に合う支えをいくつか持つことで、日々を少しずつ立て直していくことができます。
孤独の中にある気持ちを、少しずつ言葉にしていく
孤独を感じているとき、「誰かに会えばいい」「もっと外に出ればいい」と簡単に割り切れない気持ちがあると思います。
ひとりでいたい日もあれば、誰かにそばにいてほしい日もある。
話したいのに言葉が出てこない日もあります。
その揺れも含めて、今どんな孤独を感じているのかを一緒に見ていくことができます。
ご相談は、心理カウンセラー柴垣友佳里がお受けしています。
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