本当は違うと思っている。
できれば別の方を選びたい。
今日は少し無理をしたくない。

けれど、相手がそうしたいと言うと、
「それでいいよ」
「私もそれで大丈夫」
と、自分の気持ちを引っ込めてしまう。

そんなことはありませんか?

人に合わせること自体は、悪いことではありません。

一緒に過ごす人のことを考えたり、お互いに譲り合ったりすることは、人との関係の中で自然にあることです。

けれど、いつも自分の方を変えて相手に合わせていると、少しずつ、

「私は本当はどうしたかったんだろう」
「自分の考えが分からない」
と感じるようになることがあります。

ここでは、本当は違う気持ちがあるのに人に合わせてしまうこと、その結果、自分の気持ちが見えにくくなっていくことについて整理していきます。

人に合わせてしまうとき、起きていること

自分の希望より先に、相手の希望を選んでしまう

「何が食べたい?」
「どこへ行きたい?」
「あなたはどう思う?」

そう聞かれているのに、自分の気持ちを考える前に、

「相手はどちらがいいのかな」
と考えてしまうことがあります。

自分にも希望はあるはずなのに、相手が望んでいる方を選ぶことが当たり前になっている。

すると、自分で決められる場面でも、相手の意見が分からないと決めにくくなることがあります。

本当は違うと思っても、その場では合わせてしまう

相手の話を聞きながら、
「私は少し違うと思う」と感じることがあります。

けれど、
反対すると気まずくなるかもしれない。
話が長くなるかもしれない。
相手を嫌な気持ちにさせるかもしれない。

そう考えると、自分の意見を出さずに相手へ合わせる方を選んでしまう。

その場は穏やかに終わっても、あとになって、
「本当は納得していなかったな」
という気持ちが残ることがあります。

周りに合わせているうちに、自分の考えが分からなくなる

人に合わせることが長く続いていると、自分の気持ちを聞かれても、すぐには分からなくなることがあります。

「どっちでもいい」
「特に希望はない」
「みんながいいならそれでいい」

そう答えることが増えていく。

けれど、本当に何も感じていないのではなく、自分の気持ちを確かめる前に相手へ合わせることに慣れている場合があります。

相手のことはよく分かるのに、「私はどうしたい?」となると分からなくなるときは、こちらでも詳しく扱っています。

▶ 自分の気持ちが分からないとき

合わせたあとに、疲れやモヤモヤが残る

その場では何事もなく過ごしていても、一人になったあとに疲れが出ることがあります。

「あれでよかったのかな」
「また合わせてしまった」
「本当は嫌だったのかもしれない」

と、あとになって自分の気持ちに気づくこともあります。

人に合わせるために、自分の感覚を一度横へ置いていた分、あとから心に残るものが出てくることがあります。

なぜ、人に合わせてしまうのでしょうか

関係を悪くしたくない

自分の意見を言うことで、相手との関係が変わってしまうように感じることがあります。

嫌われたくない。
気まずくなりたくない。
相手をがっかりさせたくない。

その思いが強いほど、自分の希望を出すことよりも、関係を穏やかに保つことを優先しやすくなります。

相手に合わせることで、人との関係を守ってきた部分もあるのかもしれません。

相手から嫌われたのではないかという不安そのものが強い場合は、こちらで扱っています。

▶ 嫌われたかもと感じてしまうとき

自分の希望を出すことに慣れていない

これまで、

「相手に譲った方がうまくいく」
「自分が我慢すれば済む」
という経験を重ねてきた場合、自分の希望を伝えること自体に慣れていないことがあります。

何を言えばいいのか分からない。
自分の希望を出すことが、わがままのように感じる。
相手の希望を優先する方が、むしろ自然に感じる。

そのような状態になることもあります。

相手の反応を考えると、自分の気持ちを引っ込めてしまう

自分の意見を言ったときに、

相手が不機嫌にならないか。
嫌な顔をされないか。
否定されないか。

そうしたことが気になると、伝える前に自分の考えを引っ込めてしまうことがあります。

相手の表情や反応を読むことそのものが大きな負担になっている場合は、こちらをご覧ください。

▶ 人の顔色を気にしてしまうとき

合わせることと、自分を置き去りにすることは少し違います

人との関係では、相手に合わせることもあります。

今日は相手の希望にしよう。
今回は自分が譲ろう。

そうやって自分で選んで合わせることと、「本当は嫌だけれど、そうするしかない」と感じながら合わせ続けることは少し違います。

大切なのは、いつも自分の希望を通すことではありません。

「私は本当はどう感じているのか」を、自分自身が知っていることです。

相手に合わせるとしても、

「私はこっちがよかったけれど、今回は相手に合わせよう」と分かっているのと、自分の希望そのものが分からなくなっているのとでは、心に残るものが違ってきます。

自分の気持ちを、少しずつ置き去りにしないために

すぐに答える前に、自分の気持ちを確かめてみる

相手から希望を聞かれたとき、すぐに「何でもいいよ」と答える前に、一度だけ自分へ聞いてみることがあります。

「私はどちらがいい?」
はっきりした答えが出なくても構いません。

「どちらかと言えば、こちらかな」
という小さな感覚に気づくだけでも、自分の気持ちとの距離は少し変わります。

小さな違和感も、自分の気持ちとして見てみる

はっきり「嫌だ」と思うほどではなくても、

少し気が進まない。
少し疲れている。
本当は別の方がいい。

そんな小さな感覚があります。

相手に合わせることが習慣になっていると、その程度の気持ちはすぐに消してしまいがちです。

すぐ行動を変えなくても、
「私は少し嫌だったんだな」と自分が気づいておくことはできます。

「合わせない人」になる必要はありません

人に合わせすぎて疲れていると、「もっと自分を主張しなければ」と考えることがあります。

けれど、急に人との関わり方を変える必要はありません。

相手を大切にできることは、その人が持っている一つの力でもあります。

そこに少しずつ「自分はどう思っている?」という視点も加えていく。

相手だけでなく、自分自身もその関係の中にいられる形を探していくことができます。

人に合わせ続けて、自分が分からなくなっているときは

長く周りに合わせてきた場合、
「自分を大切にしましょう」
と言われても、そもそも自分が何を望んでいるのか分からないことがあります。

何が嫌なのか。
何が好きなのか。
本当はどうしたいのか。

相手がいないところでも、自分の答えがなかなか出てこない。

そのようなところからでも、カウンセリングでお話しいただけます。

カウンセリングでは、

どのような相手や場面で合わせてしまうのか。
合わせないと何が起きそうに感じるのか。
そのとき自分の中にはどんな気持ちがあるのか。
これまで、どのように人との関係を保ってきたのか。

を、お話の中から少しずつ見ていきます。

無理に「自分の意見を言える人」になることを目指すのではなく、相手との関係の中でも、自分の気持ちを置き去りにしない関わり方を一緒に考えていきます。

ご相談は、心理カウンセラー柴垣友佳里がお受けしています。

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