夫婦のすれちがい

以前は、もっと自然に話せていた気がする。

同じ家で暮らし、毎日のことを一緒にしているのに、いつの間にか会話は用事の確認ばかりになり、気持ちを話す時間が減っていくことがあります。

こちらは分かってほしいと思っているのに、相手にはうまく届かない。
相手の言葉を聞いても、「どうしてそんなふうに受け取るのだろう」と感じる。

小さなずれが重なるうちに、
「私たちはもう気持ちが離れてしまったのだろうか」
「この先もずっとこのままなのかな」
と考えることもあります。

夫婦のすれ違いには、会話だけでなく、生活の忙しさ、役割への思い、相手に期待していること、これまで言葉にしてこなかった寂しさなど、いくつものものが重なっています。

ここでは、夫婦の気持ちがすれ違うときに二人の間で何が起きているのかを見ながら、これからの関係を考えるための手がかりを整理していきます。

夫婦のすれ違いが続くとき、こんなことはありませんか

会話が、用事や連絡ばかりになっている

「今日、何時に帰る?」
「これ、やっておいて」
「子どもの予定は?」

生活に必要な会話はしていても、お互いが何を感じているのかを話す時間が少なくなることがあります。

同じ生活を続けているのに、相手の近況や気持ちはよく分からない。
その状態が続くと、夫婦というより、一緒に生活を回している人のように感じることもあります。

会話そのものが少なくなり、特に「夫が何も話してくれない」という感覚が強い方は、こちらも参考にしていただけます。

▶ 夫が何も話してくれないと感じるとき

伝えたつもりなのに、違う意味で受け取られる

「少し手伝ってほしかった」と伝えたつもりが、「自分は何もしていないと言われた」と受け取られる。

「今日は疲れている」と言っただけなのに、「自分と話したくないのだ」と感じられる。

夫婦の間では、同じ言葉でも、そのときの気持ちやこれまでの経緯によって、受け取り方が変わることがあります。

話した内容そのものより、「その言葉をどう受け取ったか」の違いから、すれ違いが大きくなることもあります。

自分ばかり頑張っているように感じる

家事、育児、仕事、家計、親との付き合い。

夫婦で生活していると、「自分はこれだけやっている」という感覚と、「相手も同じように担っている」という感覚が一致しないことがあります。

自分がしてきたことは自分にはよく見えます。
一方で、相手がしてきたことや抱えている負担は見えにくいこともあります。

「私ばかり」という思いが積み重なると、一つの出来事だけでは説明できない不満になっていくことがあります。

一緒にいるのに、どこか寂しい

夫婦で暮らしている。
隣に相手もいる。

それでも、
「自分の気持ちは届いていない」
「分かってもらえていない」
と感じると、一人でいるときとは違う寂しさが生まれることがあります。

本当はもっと話したかった。
気づいてほしかった。
自分のことにも関心を向けてほしかった。

そうした思いが言葉にならないまま残っていることがあります。

話し合おうとすると、いつも同じところでぶつかる

関係を良くしたくて話し始めたのに、いつの間にか過去の出来事まで持ち出し、同じ言い合いになる。

一方が「話したい」と近づくほど、もう一方が黙ったり距離を取ったりすることもあります。

二人とも今の関係を何とかしたいと思っていても、そのために取る行動が違うことで、すれ違いがさらに大きくなる場合があります。

話し方や伝え方そのものをもう少し詳しく整理したい方は、こちらをご覧ください。

▶ 夫婦のコミュニケーション

夫婦のすれ違いは、どこから生まれるのでしょうか

「言わなくても分かる」が少しずつ増えていく

一緒にいる時間が長くなると、相手なら分かってくれると思うことがあります。

「疲れていることに気づいてほしい」
「これくらいは言わなくてもしてほしい」
「今はそっとしておいてほしい」

けれど、自分にとって当たり前のことが、相手にとっても同じとは限りません。

言葉になっていない期待がかなわなかったとき、それが寂しさや怒りとして残ることがあります。

同じ出来事でも、大切にしていることが違う

お金の使い方、休日の過ごし方、家事、子育て、親との付き合い。

どちらが正しいということより、それぞれが育ってきた家庭や経験によって、「普通だと思っていること」が違う場合があります。

その違いが見えないままだと、「どうして分かってくれないの?」という気持ちになりやすくなります。

相手の考えに同意することと、「そう感じているのだ」と理解することは別のことです。
その違いを知るだけでも、話し合いの見え方が変わることがあります。

忙しさの中で、夫婦のことが後ろへ下がっていく

仕事、家事、子育て、介護など、毎日の生活を回すことに精いっぱいになる時期があります。

大切な話ほど「今度ゆっくり」と後回しになり、気づけば夫婦で気持ちを話す時間そのものが減っていることもあります。

大きな問題が一つ起きたというより、話せない時間が積み重なった結果として、二人の距離を感じるようになることがあります。

以前の傷つきが、今の会話にも残っている

以前言われた言葉。
分かってもらえなかった出来事。
何度話しても変わらなかった経験。

そうしたものが心に残っていると、今の小さな出来事にも過去の気持ちが重なることがあります。

現在の出来事だけを話しているつもりでも、二人の間では、それまで積み重なってきた感情も一緒に動いていることがあります。

すれ違いをほどいていくために、見てみたいこと

「何が正しいか」より、何が心に残ったのかを見る

夫婦で意見が食い違うと、「どちらの言い分が正しいのか」を決めたくなることがあります。

けれど、関係の中では事実だけでなく、
「あのとき寂しかった」
「大切にされていないように感じた」
「分かってもらいたかった」
という気持ちが残っていることがあります。

何を言ったかだけでなく、そのときお互いに何を受け取っていたのかを見ることで、同じ出来事の見え方が変わることがあります。

不満の奥にある「本当はこうしてほしかった」を見つける

「もっと家事をしてほしい」という言葉の奥に、「私の大変さにも気づいてほしい」という思いがあるかもしれません。

「もっと話してほしい」の奥には、「あなたにとって大切な存在だと感じたい」という気持ちがあることもあります。

表に出ている怒りや不満から少し内側を見ていくと、本当に伝えたかったことが見つかる場合があります。

話す内容だけでなく、話すタイミングも考える

疲れているとき、出勤前、子どもの前などでは、どれほど大切な内容でも落ち着いて受け止めることが難しくなることがあります。

「今、少し話せる?」と確認する。
話すテーマを一つにする。
結論まで一度に出そうとせず、今日は気持ちを伝えるところまでにする。

夫婦の話し合いでは、内容と同じくらい「どんな状態で話すか」も大切になります。

関係を続けるのか、距離を置くのか迷い始めているとき

すれ違いが長く続くと、「この関係を続けていけるのだろうか」と考えることがあります。

修復したい気持ちもある。
一方で、これ以上同じ状態が続くことへの疲れもある。

子どものこと、住まい、仕事、お金、これまで一緒に過ごしてきた時間なども重なり、自分の気持ちだけでは答えを出しにくいことがあります。

別居や離婚まで考え始めている方は、こちらで気持ちと現実を整理する考え方を詳しくお伝えしています。

▶ 離婚・別居を考えているとき

一方で、「もう一度関係を築いていきたい」という思いが見えている方は、こちらも参考にしていただけます。

▶ 夫婦関係の再構築

※威圧や暴力、強い支配などがあり、ご自身やお子さまの安全に不安がある場合には、二人で話し合うことよりも、安全を確保し、専門機関や公的な相談窓口につながることを優先してください。

夫婦のすれ違いを、カウンセリングで整理する

夫婦のすれ違いについてカウンセリングを受けるとき、必ずお二人そろって始める必要はありません。

まずお一人で、
「自分は何につらさを感じているのか」
「相手に何を求めているのか」
「これからどんな関係を望んでいるのか」
を整理することもできます。

お二人で受ける場合には、一方だけの主張を通すことより、それぞれが同じ出来事をどう受け止めてきたのかを伺いながら、二人の間で繰り返されている流れを一緒に見ていきます。

たとえば、

話したい人と、距離を取りたい人。
分かってほしい人と、責められているように感じる人。
早く答えを出したい人と、考える時間が必要な人。

こうした違いが見えてくると、「どちらかがおかしい」という見方とは違うところから、関係を考えられることがあります。

夫婦関係についてのご相談は、オンラインでもお受けしています。

全国にお住まいの方は、ご自宅などからオンラインでご相談いただけます。
海外在住の日本語話者の方からのご相談もお受けしています。

愛知県・岐阜県の対応地域や名古屋市などで、直接顔を合わせて話したい方には、対面でのご相談も可能です。

夫婦・カップルカウンセリングの受け方や時間については、こちらで詳しくご案内しています。

▶ 夫婦・カップルカウンセリング

二人の間で起きていることを、いったん言葉にしてみる

夫婦のすれ違いは、大きな出来事だけから生まれるものではありません。

言えなかった一言。
気づいてほしかったこと。
何度も同じところですれ違ってきたこと。

そうしたものを一つずつ見ていくことで、

「自分は何に傷ついていたのか」
「相手との間で何を大切にしたいのか」

が少しずつ見えてくることがあります。

関係をどうするかという答えより先に、今、二人の間で何が起きているのかを整理する時間を持つことができます。

ご相談は、心理カウンセラー柴垣友佳里がお受けしています。

夫婦関係について、まずお一人でご相談いただくことも、お二人でご相談いただくこともできます。

オンラインでは、全国からご相談いただけます。
海外在住の日本語話者の方からのご相談もお受けしています。

対面をご希望の方には、愛知県・岐阜県の対応地域や名古屋市などでお受けしています。

個人でのご相談は、90分 11,000円(税込)です。
夫婦・カップルでのご相談は、120分 16,500円(税込)です。

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