
夫婦で言い合いになったあと、ふと見ると、子どもがこちらの様子をじっと見ていた。
最近、夫婦の会話がほとんどない。
子どもの前では普通にしているつもりだけれど、何か感じ取っているのではないか。
そんなことが気になると、「子どもに悪い影響を与えているのでは」と心配になることがあります。
離婚や別居を考えている場合には、「子どものためには、このまま夫婦でいた方がいいのだろうか」と迷うこともあるでしょう。
夫婦の問題と子どものことは、簡単に切り離せるものではありません。
一方で、子どものことを考えるあまり、ご自身の苦しさをずっと後回しにすることだけが答えとも限りません。
このページでは、夫婦関係が苦しくなっている中で、子どもに何を背負わせず、親として何を大切にしていけるのかという視点から考えていきます。
夫婦の間にある空気を、子どもが感じ取っていることがあります
子どもの前では喧嘩をしないようにしていても、家庭の中にある緊張感まで完全に隠すことは難しいことがあります。
声の調子、二人の表情、会話の少なさ、食卓の空気。
子どもは状況をすべて理解しているわけではなくても、「今日はいつもと違う」「お父さんとお母さんの様子がおかしい」と感じることがあります。
大切なのは、「子どもに何も感じさせないようにする」ことだけではなく、子どもが感じ取ったものを一人で抱え込まなくてよい家庭の状態を考えていくことです。
子どもの前で夫婦喧嘩をしてしまったとき
喧嘩を見せてしまったことだけで自分を責め続けない
忙しさや疲れが重なり、子どもの前で言い合いになってしまうこともあります。
あとから、「あんなところを見せてしまった」と強く後悔する方もいます。
起きたことをなかったことにするより、落ち着いてから子どもとの間を整えることができます。
年齢に合わせて、
「さっきは大人同士で意見がぶつかったんだよ」
「これは大人同士で考えていくことだからね」
と伝えることもできます。
夫婦間の詳しい事情まで子どもに説明する必要はありません。
子どもが「自分のせいなのかな」と背負わないよう、夫婦の問題は大人が扱うものだと伝えることが大切になります。
仲直りする姿を見せられることもあります
意見がぶつかったあと、落ち着いて話したり、「さっきは言いすぎた」と伝えたりすることも、家庭の中で起きる一つの姿です。
「夫婦は絶対に喧嘩をしてはいけない」ということよりも、ぶつかったあとにどう関係を整えるのかも大切です。
ただし、強い罵声や威圧、暴力などが繰り返されている場合は別です。
その場合には、二人の話し合い方より、安全を確保することを優先します。
子どもが夫婦の間を取り持つようになっているとき
夫婦の間がぎくしゃくすると、子どもがいつの間にか二人の様子を気にするようになることがあります。
「お母さん、怒ってる?」
「お父さんに言っておこうか?」
子どもが空気を和らげようとしたり、一方の親の気持ちをもう一方へ伝えたりすることもあります。
子どもの優しさに助けられることもありますが、夫婦の問題を調整する役割まで子どもが担う状態は避けたいところです。
相手への不満を子どもに聞いてもらう、相手への伝言を頼む、「あなたはどちらの味方?」という位置に置くことも、子どもには大きな負担になり得ます。
夫婦の問題は夫婦や大人の相談相手の中で扱い、子どもには子どもとして過ごせる場所を残しておくことが大切です。
「子どものために離婚しない方がいいのか」と迷っているとき
夫婦関係が苦しくても、子どものことを考えると離婚や別居を決められないことがあります。
両親がそろっていた方がいいのではないか。環境を変えることで子どもを傷つけるのではないか。
一方で、今の家庭の緊張した状態を続けることについても心配になる。
この問いに、すべての家庭に当てはまる一つの答えはありません。
夫婦として現在どのような状態なのか。
家庭の中で子どもがどのように過ごしているのか。
関係を続けるなら何を変えられそうなのか。
別居や離婚を選ぶなら、子どもの生活をどのように支えていけるのか。
それぞれを分けて考えていくことが必要になります。
離婚・別居そのものについて迷っている段階では、こちらのページで詳しく整理しています。
離婚や別居について、子どもにどう伝えるか
離婚や別居が現実的になってくると、「いつ、何を、どこまで子どもに話せばよいのか」という新しい迷いが生まれます。
子どもの年齢や家庭の状況によって伝え方は異なりますが、大人同士の詳しい事情をすべて説明する必要はありません。
どこで暮らすのか。学校や生活はどうなるのか。
もう一方の親とはどのように会うのか。
子どもにとっては、「これから自分の生活がどうなるのか」が大きな関心になります。
可能な範囲で、決まっていることとまだ決まっていないことを分け、子どもが理解できる言葉で伝えていくことができます。
また、一方の親を強く否定する説明は、子ども自身の中にある親への気持ちを複雑にすることがあります。
大人同士の問題と、子どもとそれぞれの親との関係をできるだけ分けて考えることも大切です。
子どもの様子がいつもと違うと感じたら
家庭の状況が変化している時期には、子どもの様子が変わることもあります。
以前より甘えるようになったり、イライラが増えたり、学校や園での様子に変化が見られたりすることもあります。
一つの変化だけで夫婦関係との因果を決める必要はありません。
「最近どう?」と話せる時間を持ったり、子どもの生活のリズムをなるべく保ったりしながら、様子を見ていくことができます。
気になる変化が長く続く場合には、学校や園、医療機関、公的な相談機関など、子どもに合った専門的な支援につながることも選択肢になります。
子どものことを考える前に、自分の気持ちを整理したいときもあります
親として考えようとするほど、
「子どもにとって何が一番いいか」
ばかりを考え、自分自身がどう感じているのかが見えなくなることがあります。
夫婦として何が苦しいのか。
何を変えたいのか。
この関係を続けたいのか。
すでにかなり疲れているのか。
親としての気持ちと、一人の人としての気持ちの両方があります。
まずご自身の気持ちを整理することで、そのあと子どものことについても考えやすくなる場合があります。
夫婦の問題と、親子の問題を分けて考える
夫婦関係が苦しいからといって、必ず親子関係にも問題があるとは限りません。
反対に、夫婦の問題とは別に、子ども自身が不安や困りごとを抱えていることもあります。
カウンセリングでは、
「今扱いたいのは夫婦二人の問題なのか」
「親として子どもへの関わりを考えたいのか」
「子ども自身の気持ちも一緒に見ていきたいのか」
を整理しながら、相談の形を考えていきます。
子どもとの関係そのものを中心に扱いたい場合には、こちらをご覧ください。
夫婦の間で繰り返される衝突を変えていきたいとき
子どものことを心配してこのページにたどり着いたとしても、その背景には「夫婦で話すたびに喧嘩になる」という問題がある場合があります。
その場合には、子どもの前でうまく振る舞うことだけを考えるより、夫婦の間で繰り返されているやり取りそのものを見ていく方が根本に近づくことがあります。
話し合うほどすれ違う、片方が強く言うともう片方が黙る、といった夫婦のコミュニケーションについてはこちらで詳しく扱っています。
カウンセリングで、夫婦のことと子どものことを整理する
「子どものためにはどうしたらいいのでしょう」と相談に来られたとき、最初から一つの答えを決めるのではなく、そのご家庭で何が起きているのかを伺います。
夫婦の間でどのようなことが続いているのか。
子どもは今どのような様子なのか。
ご自身は何を一番心配しているのか。
まずお一人で、親としての迷いや夫婦への気持ちを整理することもできます。
夫婦として今後を話したい場合には、お二人でカウンセリングを受けることもできます。
子どもを大切にしながら、家族のこれからを考える
子どものことを大切に思うからこそ、夫婦関係について簡単には決められないことがあります。
けれど、親自身が何を感じているのかを整理することと、子どもの安心を考えることは、どちらか一方を選ぶものではありません。
夫婦として何を変えられるのか。
親として何を大切にしたいのか。
そして家族として、これからどのように暮らしていきたいのか。
一つずつ整理しながら考えていくことができます。
ご相談は、心理カウンセラー柴垣友佳里がお受けしています。
まずお一人でご相談いただくことも、ご夫婦でお話しいただくこともできます。
ご予約前に、「夫婦の相談として申し込むのか、親子の相談として申し込むのか」など確認したいことがある場合は、LINEをご利用いただけます。
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