「人の顔色ばかり気にしてしまう」
「頼りたいのに、人に頼れない」
「嫌われないように、つい相手に合わせてしまう」
「自分の気持ちより、周りのことを優先してしまう」
そんな生きづらさについて調べるうちに、
「アダルトチルドレン」という言葉にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません。
子どもの頃から、周囲の様子をよく見ていた。
家の中で、できるだけ波風を立てないようにしていた。
期待に応えようと、しっかりしようとしてきた。
その頃には必要だった頑張り方が、大人になった今も続いていることがあります。
そして、
「どうして私はこんなに人に気を使うのだろう」
「もっと楽に生きたいのに、どうしたらいいのだろう」
と感じるようになることがあります。
アダルトチルドレンという言葉を、自分を決めつけるためではなく、
これまでの自分を理解するひとつの手がかりとして、一緒に見ていくことができます。
アダルトチルドレンとは
アダルトチルドレンは、医学的な診断名ではありません。
一般には、子どもの頃の家庭環境や家族との関係の中で身につけた考え方や人との関わり方が、大人になった現在の生きづらさにもつながっていると感じる人を表す言葉として使われています。
大切なのは、
「自分はアダルトチルドレンなのか」
という答えだけを探すことより、
自分はどんな環境の中で、どんなふうに人と関わることを覚えてきたのか
を知っていくことだと考えています。
同じ家庭で育っても、受け止め方や経験は一人ひとり違います。
家族をひとつの型にはめるのではなく、
ご自身が何を感じ、何を我慢し、どんなふうにその環境に適応してきたのかを丁寧に見ていきます。
こんな生きづらさを感じることがあります
人の顔色や機嫌が気になる
相手の表情が少し変わっただけで、
「何か悪いことをしたかな」
「怒っているのかな」
と気になってしまう。
相手が不機嫌だと、自分まで落ち着かなくなる。
そんな方もいます。
子どもの頃から周囲の空気を読むことが必要だった場合、
大人になってからも、相手の変化を敏感に感じ取る習慣が残ることがあります。
自分の気持ちより、相手を優先してしまう
本当は嫌だと思っている。
本当は断りたい。
けれど、
「相手をがっかりさせたくない」
「嫌われたくない」
「私が我慢すれば済む」
と考えて、相手に合わせてしまうことがあります。
そうしたことが続くと、自分が本当はどうしたいのかさえ分からなくなることがあります。
人に頼ることが苦手
困っていても、
「自分で何とかしなければ」
と思ってしまう。
誰かにお願いしようとすると、申し訳なさや落ち着かなさが出てくる。
そんな方もいます。
人に頼ることが苦手なのは、単に「頼り方を知らない」ということだけではなく、
頼って傷ついた経験や、
迷惑をかけないように頑張ってきた時間とつながっていることがあります。
自分を責めることが多い
人間関係で何か起こると、
「私が悪かったのかもしれない」
と考える。
失敗すると、必要以上に自分を責め続ける。
誰かに嫌なことを言われても、
相手より先に自分の至らなかったところを探してしまう。
こうした反応にも、それまでの経験が関係していることがあります。
「ちゃんとしていなければ」と力が抜けない
しっかりしていたい。
迷惑をかけたくない。
人からきちんとしていると思われたい。
そのために努力を続け、周囲からは問題なく見えていても、
心の中ではずっと緊張していることがあります。
誰かと一緒にいるだけで疲れたり、
一人になった瞬間にどっと力が抜けたりすることもあります。
子どもの頃に身につけたものが、大人になってからも続くことがあります
子どもは、自分が置かれた環境の中で生きていくために、さまざまな方法を身につけます。
たとえば、
親の機嫌をよく見る。
できるだけ困らせない。
期待されていることをする。
自分の気持ちを後回しにする。
しっかり者でいる。
家庭の中を明るくしようとする。
そうすることで、自分の居場所や家族との関係を保ってきた人もいるでしょう。
その力は、その頃の自分を支えてくれたものでもあります。
けれど、大人になって環境が変わっても、
「相手の機嫌を損ねないように」
「嫌われないように」
「ちゃんとしていなければ」
という緊張が続いていると、生きづらさにつながることがあります。
「親との関係」が気になることもあります
アダルトチルドレンという言葉に触れると、
子どもの頃の家庭や親との関係を思い出す方もいます。
親から十分に認めてもらえなかったと感じている。
親の機嫌に振り回されていた。
悩みを話しても受け止めてもらえなかった。
家庭の中で、自分がしっかりしなければと思っていた。
あるいは、
「特別につらい家庭だったわけではないのに、なぜか今も苦しい」
と感じる方もいます。
大切なのは、家庭を良い・悪いの二つに分けることではなく、
その環境の中で、自分が何を感じていたのかに目を向けることです。
また、親との関係そのものを整理したい場合には、こちらもご覧いただけます。
「過去のことなのに」と思っていても、今の人間関係に現れることがあります
子どもの頃のことは、すでに何十年も前のことかもしれません。
けれど、人との関わり方として身についたものは、現在の生活の中に現れることがあります。
たとえば、
恋人や配偶者の機嫌を過度に気にする。
職場で頼まれると断れない。
相手が怒っていると、自分の責任のように感じる。
人との距離が近くなると不安になる。
自分より相手の都合を優先する。
自分の意見を言ったあと、嫌われたのではないかと心配になる。
こうした一つひとつを見ていくと、
「自分にはこういうパターンがあるんだ」
と少しずつ分かってくることがあります。
パターンが見えることは、
これからの関わり方を選び直していくための大切な一歩になります。
カウンセリングでは、「今困っていること」から始めます
アダルトチルドレンについて相談すると、
「子どもの頃のことを全部話さなければならないのかな」
と思われるかもしれません。
カウンセリングでは、まず現在いちばん困っていることから伺います。
たとえば、
「職場で人の機嫌ばかり気になります」
「夫に言いたいことが言えません」
「人に頼ることができません」
「何をしても自分を責めます」
「自分が何を望んでいるのか分かりません」
というところから始められます。
その現在の悩みを一緒に見ながら、
「この感じはいつ頃からあったのだろう」
「どんなときに特に強くなるのだろう」
と、必要に応じてこれまでの経験とのつながりを整理していきます。
カウンセリングで一緒に整理していくこと
繰り返している人間関係のパターンを見つける
誰といるときに苦しくなるのか。
どんな言葉に強く反応するのか。
どんなときに、自分の気持ちを飲み込んでしまうのか。
現在の具体的な出来事から、一緒に見ていきます。
本当の気持ちに気づいていく
長く周囲を優先してきた方ほど、
「自分が何を感じているのか分からない」
ということがあります。
悲しかった。
腹が立っていた。
怖かった。
本当は助けてほしかった。
そうした気持ちを、急がず少しずつ言葉にしていきます。
今の自分に合った人との関わり方を考える
過去を理解するだけでなく、
現在の生活の中でできることも一緒に考えていきます。
すぐに返事をせず、少し考える時間を持つ。
小さなことを誰かに頼んでみる。
嫌だと感じた自分の気持ちを、まず自分で認める。
相手と少し距離を取る。
こうした小さな選択の積み重ねによって、
人との関係の中でも自分を大切にできる感覚が少しずつ育っていくことがあります。
アダルトチルドレンにまつわる生きづらさについては、個人カウンセリングでお話を伺っています。
「アダルトチルドレンかどうか」より、自分自身を理解することから
アダルトチルドレンという言葉を知ったことで、
「これまでの自分の生きづらさに、理由があるのかもしれない」
と感じることがあります。
その気づきは、自分自身を理解していく入口になります。
人の顔色を見てきたこと。
一人で頑張ってきたこと。
期待に応えようとしてきたこと。
自分より誰かを優先してきたこと。
そこには、その人なりの理由や、そのとき必要だった頑張り方があったのだと思います。
カウンセリングでは、その背景を一緒にたどりながら、
これからはどんな関わり方なら自分が少し楽でいられるのかを考えていきます。
アダルトチルドレンの悩みを、一人で整理しにくいときは
長く続いてきた考え方や人との関わり方は、
自分一人では当たり前になりすぎていて、なかなか気づきにくいものです。
誰かと話しながら整理することで、
「私はいつもここで我慢していたんだ」
「相手が怒ることを、必要以上に怖がっていたんだ」
「頼れないのには理由があったんだ」
と、少しずつ自分の中で起きていたことが見えてくる場合があります。
ご相談は、心理カウンセラー柴垣友佳里が直接お受けしています。
今のお悩みから伺いながら、
必要に応じてこれまでの経験や人間関係のパターンも一緒に整理していきます。
アダルトチルドレンにまつわる生きづらさについて相談してみたい方は、予約カレンダーから空き日程をご確認いただけます。
