分からなさを残して

マグカップを両手で包みながら
「あぁ、ちょっと疲れが残ってるな…」
と、ふと思うことがあります。
特別な出来事があったわけでもないのに
身体の動きが重かったり
呼吸が浅いことに気づいたり。
そんな小さなきっかけから
今日の自分を知ることもありますね。
自分のことは自分が一番分かっているようで
実は見えていない部分も
たくさんあるのかもしれません。
人と関わる中で
「分かり合う」という言葉がよく使われます。
それは全てを理解するというより
まだ整理できていない気持ちや
自分でもよく分からない揺れも
そのまま受け入れ合うことのように思います。
癖や反応の仕方、
心を守ろうとする動きに
本人よりも先に
周りの人が気づくこともあります。
自分ではぼんやりしていた輪郭が
誰かに受け止めてもらうことで
少しずつ浮かび上がってくることもあります。
不思議なことに
そうして受け入れてもらった経験は
今度は自分が誰かを受け入れる力にも
つながっていくような気がします。
分からない部分があってもいい。
まだ言葉にならなくてもいい。
そのままで一緒にいられること。
その安心感が
お互いの心をゆっくりとほぐし
私たちを少し
自由にしてくれるものなのかもしれません。
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