こいのぼりの記憶

五月の風に
ふわりと揺れるこいのぼり。

あの姿を見るたび
心の中に浮かぶ景色があります。

息子がまだ幼かった頃
毎年こいのぼりをあげていました。

そして押し入れから
大きな箱を取り出して
兜を飾り

柏餅やちまきを用意して

家の中が少し賑やかになる
あたたかな時間でした。

けれど、いつの間にか
飾らなくなって
“これが最後かな” と意識することもなく

ある年を境に
行事そのものが
静かに日常の中に溶けていきました。

押し入れの奥にはまだ
あの時のこいのぼりも、兜も
眠っています。

それでもこの季節になると
近所の庭先やベランダで
元気に泳ぐこいのぼりを見かけて

“あぁ、あの頃は我が家でも…” なんて
懐かしく思い出したりするのです。

行事って
形としてはやらなくなっても
思い出の中で
ちゃんと生き続けるんだなと感じます。

それが少し
切ないような、やさしいような。

ただ毎年
柏餅にだけは自然と手がのびて
買い物かごに入れてしまうんですよね 笑

子どもの成長とともに
季節の過ごし方も変わっていくけれど

大切な記憶として心に残ったものは
これからも静かに
あたためていきたいなと思います。

投稿者プロフィール

柴垣 友佳里
柴垣 友佳里くれたけ心理相談室(江南支部)心理カウンセラー
愛知県の江南市を拠点に、犬山市・小牧市・一宮市などで、対面カウンセリングやオンラインカウンセリングをさせていただいています。

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