老犬のまなざし

うちのトイプードルも
もうすっかりおじいちゃんです。
月に一度、トリミングに連れて行くと
帰ってきたときは家族から
「可愛くなったねぇ~」とチヤホヤされます。
でも本当は
足腰は少し弱くなり
目の周りも白くなり
毛もだんだん薄くなってきています。
犬って、人のように
顔にしわが寄ったり
たるんだりしないせいか
見た目はいつまでも
可愛い子どものように思えるもの。
だからつい昔のままの気持ちで
「ボクちゃん」なんて
呼びかけてしまうんですよね。
思い返すと
子犬だった頃はフワフワで元気いっぱい。
今はソファでまどろむ時間が増え
散歩の足取りもゆっくりになりました。
それでもトリミングの後は
ちょっと背筋も伸び
カッコよくなったように見えて
まだまだ若い気がしてしまいます。
月日が経つほどに
愛おしさは増していくものです。
お世話をしているつもりが
実はたくさん癒やしを
もらってきたのだと気づきます。
「もしこの子とおしゃべりできたら、どんな話をしてくれるかな」
そんな想像をすると
胸の奥が温かくなります。
ペットとの暮らしには
歳を重ねるごとに深まる
時間の重みがありますね。
愛おしさも、少しの切なさも
そのまま宝物になっていく気がします。
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