分かち合う贅沢

誰かに「これ、よかったよ」とすすめるとき
それがどれだけ自分のお気に入りか
つい熱がこもってしまうことがあります。
昔の私は、好きなものほど
人に教えたくないタイプでした。
感じのいいカフェ
心を救ってくれた一冊
お気に入りの散歩道。
それらはどこか
自分だけの秘密の宝物のように思っていて
誰かと共有したら
価値が減ってしまうような気さえしていました。
でも、ある日
ふとした会話の中で
友人にそのカフェの話をしたら
目を輝かせて
「行ってみたい!」と笑ってくれて。
数日後「行ってきたよ。すごく素敵だった」と
嬉しそうに報告してくれました。
そのとき取られた感覚は
まったくありませんでした。
むしろ自分の中の豊かさが
相手の中にも灯ったような
あたたかい気持ちになったのを覚えています。
豊かさって独り占めすることじゃないんだな
と気づきました。
それは、差し出すことで
誰かの手に渡って
輝きを増していくもの。
人と分かち合ってこそ
本当の意味で
自分のものになるのかもしれません。
今ではあえて
空白をつくるようにもしています。
ぎゅうぎゅうに抱えこまず
少しだけゆとりを残す。
その余白から人が入り
言葉が行き交い、笑いが生まれる。
日々の暮らしの中で交わされる
ささやかなやりとり。
それこそが一番の贅沢かもしれないな
と感じています。
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